国立近代美術館(ポンピドゥーセンター内)は上から攻める。


最上階までエスカレータで登ってパリを一望できます。
サクレクール寺院エッフェル塔など、大事なものはだいたい見えます。
中ではイヴ・クライン展をやっていました。

イヴ・クライン展をやってた。

たまたま特別展でイヴ・クラインがフィーチャーされてました。
インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)
インターナショナル・クライン・ゴールド(IKG)
クラインのパッションピンク
そして炎。
この三つの色と、炎の美を大々的に主張する強烈な展覧会でした。
部屋ごとにクラインの大演説が流れていて、
壁のそこここにクラインのありがたい言葉があふれていて、
これは若いときに見たら絶対に影響を受けていただろうと思いました。


裸の女の子に青い絵の具塗りたくって、そんままキャンバスに魚拓ならぬ、「人拓」をやって、
「これで人は空を飛んだ!」とか言ってるのをまともに聞いちゃいそうで、面白かったです。


なんにしてもインターナショナル・クライン・ブルーは大変にキレイな青で、
ちょうどWindowsXPのタスクバーの色に近いです。
たぶんオフィシャルHPに色見本があるのでどうぞ。


彼のコトバでちょっと面白かったのが
「地球はコインのように平べったい。このコインが回転して球ができるけれど、私たちはこのコインの端に生きているのだ」みたいな。
強烈です。

常設展でがっかり。

常設展でウォーホルとか、ピカソとか、リヒテンシュタインとか、楽しみにしてたんすよ。
それが、まず、取り払われてしまっていて、
しかも四階と五階にあるはずの展示が、四階だけになってて、五階に昇れず。
なんていうか、
絵だけでものを表現できないのはわかるんですよ。
けど、そこまで場所がいるのかって言えば、どうも違うような気がします。


フェルトの絨毯を巻いたものを壁に敷き詰めたっていう部屋があって、
これがすごく、圧力と静寂を感じさせて面白かったんだけど、
人が入れるのは入り口から3メートルくらいで、それ以上は中には入れないんです。
でも、その部屋は二間続きのへやで、明らかに奥にもちゃんと部屋があるんですよ。
で、手前の部屋には大きなグランドピアノがあって、弾きたくなるじゃないですか。
少なくとも、ものすごく音を吸収する部屋だからその音だけでも聞きたくなるじゃないですか。
でもダメなの。柵があって入れないの。
寝っ転がったら気持ちよさそうなのに、部屋全体が「芸術」ってやつになってるの。
インスタレーションでもなんでもなく、「見る部屋」なのね。住む部屋じゃなくて。
なんか、人間の足の動きを冒涜しているように感じました。


あとは、なんか、覚えてません。
ホントがっかりだったんです。
「Image of Action」ってやつでした。

次回に続きます。