オルセー美術館は4時にいったのでは遅すぎる。

オルセー美術館にも行きました。
ここは卑猥な絵でいっぱいです。
カバネルの「ヴィーナスの誕生」とマネの「草上の昼食」の対決も見れます。
ミレーの「晩鐘」、モネの「ルーアン大聖堂」ドガの「バレリーナ」など、印象派の作品もたくさん。
詳しくは下記を。

オルセー美術館への道


オルセーに行くときはPasserelle Senghor(Pont de Solférino)を渡っていくと気持ちがいいです。
この橋の構造は面白くて、上から攻める道と、下から攻める道があって、
チュイルリー庭園から橋へと行く道がすごく素敵です。
写真でみると早いかな。
この写真はオルセー側から撮ったものだと思います。
なかなか素敵でしょう。
この橋を渡ってチュイルリーからオルセーへ行きましょう。

オルセー美術館新古典主義


オルセーに行く人らはそれなりに目的を持っていく人が多いと思うんですが、
今回の目当てはアングルの「泉」でした。
あとで調べてわかったんですが、アングルカバネルブグローなどは新古典主義と呼ばれているらしくて、ものすごくエロイ絵を描いています。
ルーブル美術館にはもっとたくさんのコレクションがあるらしいのですが、オルセーにはその傑作が勢ぞろいしてます。
…残念ながら、アングルの「泉」はありませんでした。どこかへ旅行してるのでしょう。


まずはヴィーナスの誕生、二連発。
両方オルセーにありました。
カバネルの。

ブグローの。

えろいっしょ、まじで。
カバネルのヴィーナスはマネの「草上の昼食」とサロンで競って勝ったものです。
どっちにしろ卑猥この上ないです。
ちなみに「草上の昼食」ね

これもオルセーにあります。ちょうど真ん中の彫刻の通路を挟んで向かい側にあります。
パリに来てやっとマネの卑猥さがわかりました。
本物を見ると、なんというか、本当に裸婦の意味がまったくわかりません。
よく美術史の授業で「アングルやカバネルの裸婦はあくまで神様で、普通の人じゃない」みたいな説明をされますが、
その意味がようやくわかりました。
たとえば、道端に落ちているウンコ。
それをだいたいの人は、犬のウンコだと思っているんですよ。
けど、そのウンコを「それ、人間のだよ」と言われたり、知ってしまったりしたときの
吐き気というか、ものすごい気分の悪い感じに似ています。
どうやっても神様をモチーフにした絵はどれだけエロくても、犬のウンコぐらいにしか見えないのだけど、
(いや、これは別に冒涜するつもりじゃなくて、たとえでね。)
マネの「草上の昼食」は人間のウンコなんです。


わかるかなー。あまり例える表現がまずいかもしれないけれど、たしかにそういう感じがします。
芸術ってホント生理的なものなんです、きっと。

卑猥はさらに進む。

オルセーの一階のどこかに、女性の局部がありありと描かれた絵があります。
たしか、モネのルーアン大聖堂の部屋のならびにあったはずです。
びっくりしますので、ぜひ探してみてください。
おおおおおって思います。

気分転換はミレー。

牧歌的で寂しいミレーの晩鐘と落穂ひろいがあります。
ちょっと気分転換にはいいかもしれません。
大変に見やすい絵です。ちょこんとあるっていうのも素敵です。

閉館15分前に見れなくなる印象派たち。

ゴッホドガやモネを見たい人は、真っ先に最上階の印象派コーナーから攻めるべきでしょう。
僕が行った時にはもうすでに上から降りてくる人がぞろぞろといて、結局見れませんでした。
ゴッホアムステルダムで飽きるほど見たし、モネはオランジュリー*1で見たし、特に魅力はなかったので良かったのですが、
それでもやはり途中で追い出されるのは癪だったので自分から出て行きました。
にしても、あの美術館の閉館作業をする館員たちの対応ってどうしてあんなに冷たいのだろう。
中学のときのルーブル美術館でのトラウマ*2が甦ります。

ロリ趣味のオルセー美術館


見た絵が卑猥なものばっかりだったというのもあるのだけれど、
オルセーのコレクションはどうもロリータの趣味があるようです。


中学1年のときに一度訪れたことがあって、
そのときにぞっこん惚れた絵があって、ずっと探していました。
大学生になってようやくその絵がアングルって人の「泉」だっていうことがわかってうれしかったんだけど、
それにしても、中学生の僕が惚れるのはもちろん中学生くらいの女の子なわけで、
ついでにドガバレリーナ像にも恋心を寄せていたこともあり、
オルセーには中学生の僕を誘惑する同世代の女の子がたくさんありました。


で、25歳になってまた訪れるわけですが、
僕が十年年を食ったところでオルセーの趣味が変わるわけでもなく、
依然として並んでいる少女たちの顔は十代なんですね。
大人の階段登りきる前のものすごい不安定な雰囲気をバンバン出しています。
もちろん25歳なりにそそられた絵はたくさんありますが、
この先、50歳になったらやっぱり50歳なりにオルセーで魅力的な女性と出会うんでしょうか。
ルノワールの描くおばちゃんたちに惚れたりするんでしょうか。
うーん…。

自分のお気に入り美術館

中学の頃にオルセー美術館と出会ったのは本当に良かったと思いました。
十年経っても変わらずにある展示と、確実に変わった自分とを照らし合わせて見るのもいいものだと思います。
日本の美術館にそういう自分だけの美術館っていうのを見つけられないままこっちに来ちゃったので、ちょっと残念です。
ちなみにもう一つ僕が惚れてしまった絵はプラド美術館にあります。
ベラスケスの描いた皇女の絵。名前は忘れてしまいましたが。
この冬にウィーンに行ったときにベルヴェデーレ宮*3に行ったのだけど、
ここで見つけたワルトミュラー*4の「ケルツマンとその第二夫人と娘*5」という絵にあるこの「Majlath伯爵夫人」が大変に美しいです。

タイプがわかっちゃうかな。


中学の頃はアングルの泉で、今はワルトミュラーで、なんだか、ホントに変わるもんなんですね。
と、しみじみと。

そういうわけで、パリ美術館めぐりでした。

二回にわたって書いていきましたけれど、すごい量です。
まあ、美術館のサイトがとても充実しているので、いけない人はぜひともサイトで見て、
あー、いきてーとか思っていれば、きっといけるようになると思います。
パリの街はあまり好きになれなかったけれど、美術館は大変に素敵です。
ではでは。

*1:1月16日の日記参照

*2:閉館ぎりぎりで踊り場にあるニケの後姿を見ようとしたらものすごい怒られた

*3:このリンクはカタログに直通してます

*4:Ferdinand Georg Waldmuller

*5:Mathias Kerzmann mit seiner zweiten Gattin(geb.Grafin Majlath)und seiner Tochter Maria