君が思い出になったあとで。


思い出になった思い出たちを
そっくりそのままぽいしても構わないような
そういう心持になりました。

もちろん思い出から学んだことはたくさんあって、
僕がここにいるのもその思い出たちに因るところがかなりあります。


あの本のあの行に書いてある言葉は
あの時あそこで言われた言葉。
決して読まなかっただろう本や
必死になって仕入れた自分のバランスのとり方
いわば僕がこうしてのんびり構えてられるのも
すべて思い出に関わったからこそ
得られたものであることはたしかです。


けれど、
それは生きている経験ではなくて
死んだ思い出になりました。
後はキラキラとりん粉をふりまけばきれいになる代物です。


スピッツの歌で、
もう一度笑って見せてっていう歌があるけれど、
そういえば最後に会ったとき、
たぶんあのときからなんだけど、
どこか無関心があたりを支配してて、
そのまま疲れ果て、
無表情のまま「じゃあね」といったままでした。
けんかもしないで、
ただただ苦しいままだったな。


マサムネさんに頼んで、
「君が思い出になったあとで、もう一度笑って見せて」
っていう歌を作ってはもらえないものだろうか。


無理だろけども。


きっと僕ら、導かれるままには
歩き続けられない
二度と、これからは