Pinter's Peopleを見てきた。

キンダイシュラン《★★★☆☆》
パリからの帰り、ロンドンはまだ昼下がりだったので、芝居を見ました。
ハロルド・ピンターの短編を集めたものでした。
ピンターはノーベル文学賞を去年とったばかりでまあまあ話題の人ではあるんですが
その人の芝居を見るのはイギリスでないとダメだろうってんで、見ました。


中でも面白かったのが「夜」と「ヴィクトリア・ステーション」

「夜」は夫婦がお互いの思い出を語っていくのにどうしても食い違っていて、はじめはケンカをするけれど、しまいにはお互いにたった一つ食い違うことのない点を見出して暗転
という20分ほどの作品です。


「ヴィクトリア・ステーション」はタクシーの運転手とオペレータの話。
運転手はとことんアホなんだけれど、他に仕事のできる人がいないと言うので、
オペレータはヴィクトリアステーションに向かわせるのだけれど、運転手は何かと理由をつけて行こうとしない。
そこでいろいろと話をしていくうちにオペレータは発狂。
運転手は乗客と恋に落ちる。
という30分ほどの話。


他にもたくさんやってて、だいたい5分くらいで終わるんだけど、その一つ一つにちょっと面白さのブレがあって、落ち着きませんでした。
またイギリス英語の独特のあの訛りは大変に聞きにくくて、ジョークもわからないのもあって、余計にわかりませんでした。
悔しい。


「Apart from that」というのが単純で面白かったです。
病人と怪我人が電話で話しているのだけれど、
「How are you?」
「Fine! apart from... you know...」
「I know, I know. I'm Ok, apart from...hahaha」
という会話を延々続けるっていう話。
うまい設定を考え付くもんだと感心しました。


どたばたと言うよりは会話で笑わす上品な作品ばかりです。
ハロルド・ピンター。まだまだ面白いです。