日本にいましたが、そろそろイギリスへ。


「帰る」という言葉は、とても浮気者だ。
たとえ、どんなに愛していた土地であっても、
行く先に目的と住処と未来があれば、「帰る」といってしまう。
逆に、どんなに愛着のある場所でも、
その場所に自分の住む家と未来がなかったら、
決して「帰る」とはいえない。

今一番大事な場所に向けて、僕はいつも「帰る」。

イギリスから日本に帰ってきたし、
明日、日本からイギリスに帰る。

東京に帰ってきて、僕は京都の友達の元に帰ったし、
東京の友人と話して、
「ああ、帰ってきたなあ」と思う。


じつのところ、僕はあまりイギリスには帰りたくないのだけど、
やることがあるので、僕はとにかくも、イギリスに帰る。
もうちょっと日本を楽しみたかったのだけど、
もうすでになんだか観光客のような気持ちになっている時点で、
僕は帰る場所を失っているのかもしれない。

ロンドンという場所は住みにくいし、
物価は高いし、英語は通じないし、食事は単調だし、
ホントになんにもない場所だけど、
ただ、演劇が盛んだというそれだけのために、僕はロンドンに行く。
そこで見つけた場所で、勉強しようと思ったのと、
それを支えてくれるものがあったから、
ロンドンへ行く。


1年後、僕は日本に帰るという気持ちになっているのだろうけど、
もうちょっといい土産話を今度は持って帰ろうと思います。


日本にいる間、あってくれたみんな、ありがとう。
日本にいる間、会えなかった人たち、また会いましょう。

さ、イギリスに行きます。


余談ですが、
「いってきます」には、「行く」と「来る」の要素がいい具合に混ざっているのが、とても魅力的です。
きっと帰ってくるぞ!という雰囲気が漂っていて、とても好きです。