イオネスコの「犀」を見てきた。

Rhinoceros
by Eugène Ionesco
at Royal Court Theatre
directed by Dominic Cooke


キンダイシュラン<★★★☆☆>


街角で、サイが突然走ってた。
主人公のベランジェさんが友達とカフェで話をしていたらサイがものっすごい勢いで走り去る。
最初気にもしていなかったのだけど、サイがどんどん増殖していくにつれて、
ついにベランジェはサイたちの正体を知る。
一人二人と周りの人間たちがいなくなり、たった一人になったベランジェさんは…という話。


ネタバレしてもいいよね?


設定の勝ちだと思いました。
サイってすごく変なんだけど、実はものすごく怖いです。
人がどんどんとサイになっていくシーンはちょっと恐ろしいです。
けれどそこはイオネスコ、きちんと小さい笑いをちりばめてくれます。


ずっと笑っているのだけど、最後にじっくりとシリアスな空気を作る役者というか、演出というか、
最後の暗転明けの最悪な情景はちょっと想像しただけで恐ろしいです。
不条理劇の一番良いとこで。


サイの突進のせいで地震が起こり、
ボロボロの廃墟同然になった部屋を13頭のサイがぐるりを囲んでじっとこちらを見ている。
もうね、とんでもないです。


そのあと、もう一つ芝居を見ました。
同じくロイヤルコートシアター。
キャストは「サイ」と同じ人たち。