チックコリアのジャズ、聴いてきた。


Chick Corea & Bela Fleck
at Barbican Hall
£20



音楽はよくわかんないので、キンダイシュランはつけませんが。
おもしろかった!

さっき帰ってきて、シャワーを浴びて、もう曲は全然覚えてないんだけど、ただただあの心地よい感じだけが残ってます。


チック・コリアはピアニストで、ジャズの世界では、ものっすごい人です。
パンフレットには、既成のジャズのボーダーをスマッシュして、新しいピアノジャズのダイレクションへとリードしていった人だそうです。
ほんとかな。
ジャズ・フュージョンなるジャンルをさらに切り開いて、どんなヘビーなロックよりもエクサイティングだったそうです。
なんか、ルー大柴みたいですが。


もう一人の主役、ベラ・フレックはバンジョー弾きです。
80年代からその才能を花開かせて、グラミー賞も取ったりしているひとで、チック・コリアとも長い親交があるとか。彼のバンジョーが、あるときはスパニッシュ・ギターに、あるときは典型的なウェスタンなバンジョーになり、っていう、落ち着いた音のセンスを持ったバンジョー弾きさんです。


チックコリアの何を知っていたわけでもなく、ただ名前を知っていただけだったのだけど、聞きに行ってよかったです。電子ピアノのイメージがあったのだけど、舞台には上蓋が全部取られたグランドピアノ。ときどき低いところをびよーんびよーんと弾くのがちょっとかわいかったです。


あと、チックコリアって、やさしいピアノ弾きというイメージを勝手に作っていたので、それにぴったりの、いいおっさんでした。怒ったときにすごく怖そうなおっさんですが。ラテン系の曲が何曲かあって、ノリノリになるんだけど、決してテンポは揺るがない、あえてゆっくりとキープしますっていう、しっかりとしたイメージを持ちました。


「Mountain」という曲があったのだけど、聞いているうちに西部劇に出てくるような大陸横断鉄道が幻覚で見えてきて、すごかったです。
たぶん、一回汽笛の音のような音をピアノでギャンギャン!とやったあと、一気に景色が見えてきて、グランドピアノがSLに見えたり、SLが通る山に見えたり、山のふもとに広がる荒野に見えたり、音楽が流れるに連れて一気に風景へとつれていってくれる感じは、とても気持ちがよかったです。
バンジョーのメロディがウェスタンをイメージさせたのかなあ。
っていうか、どうしてそのメロディが西部劇っていう風になっているのかがわかんないです。
どこかに僕が持っている記憶ってやつがあるんでしょうか。


「あまり名の知れていない作曲家が、僕に書いてきたんだ」と言いながら弾いた曲がかっこよかったです。日本の音階みたいな感じで始まって、その繰り返しのなかでいろいろ変わっていくんだけど、ある程度ブワーッてなった時に、ふとテーマに入るあの瞬間、快感です。


あのインプロがうまければうまいほど、メインテーマに移るときの快感が大きいように感じます。
もうちょっと高校の頃ジャズをやっておけばなあ、今でも間に合うかなあと、思うこのごろです。


アメリカってなんか、ずるいなあと思いました。