オペラ ドン・ジョバンニ、見てきた。
Don Giovanni
@Royal Opera House
キンダイシュラン《★★★★☆》
見てきました。120ポンドで、前から2列目のほぼかぶりつきの席でした。
字幕が真上に出るのでほとんど見ないで、あらすじに頼って見てました。
いや、いい。よかった。
ホントはポスター見てなんだか生々しくてイヤだなあって思ってたんですけど、
そこまでくどかったりするものじゃなかったです。結構あっさりめ。
名古屋の味噌煮込みうどんを食べたときみたいな、意外なあっさり具合に驚きました。
演出をしたフランチェスカ・ザンベッロさん、よかった。
つい笑ってしまいたくなるような、シリアス、っていう絶妙な部分をちゃんと見せてくれていたように思います。
指揮のDavid Syrusさんをはじめて間近に見ました。
ほっそいおじさんでした。アリアが終わるたんびにニヤッと笑うのがちょっと良かったです。
お客さんの拍手に素直に答える感じの親しみのある指揮者さんでした。
やっぱりなんつっても、モーツアルトのオペラなので、ちゃんとしっかりと歌うし、最後はちゃんと盛り上げてくれるし、聞いてて滑らか、見てて納得といった感じ。
舞台も一幕の最後、本のように左右から閉じていく中に挟まれていく人々と、そこから逃げようと上からロープをたらしてそこを登っていく人々の必死さ具合が、
盛り上がる「じゃんジョン、じゃんジョン、じゃんジョン、じゃんジョン」に重なっていって、
音楽の終わる2小節前に緞帳がサーッと下りてくる。たまらんです。
上半身素っ裸になるポスターが地下鉄にはたくさん張ってあったのだけど、
それは最後の、晩餐にあの幽霊さんが「ドーンジョバーーーンーーニーーーー」とひっくい声で登場して、地獄へ落とそうとするシーンで、
火の柱がボォッ、ボォッと立ち上がって全部で6つの火柱がザッと立ち上がると、
床が沈みはじめて地獄へ行く姿を見つつ、天井から真っ白なカーテンがフワッと降りてきます。
あの緊張感と解放感がたまりませんでした。
そのあと、フィナーレのあと付けみたいなのがひとくさりあって、終わりです。
背が高くて、半分裏声で歌う男性って、すごく素敵に見えますが、
ちょっと冷たすぎて、女性に興味がおありでなさそうな感じがあったりしました。
が、それはそれ、いや、いい声でした。
レポレッロがどれだけ面白いか、これでドンジョバンニはいろいろ左右されるのかなと思ったり、
なんしろ脇役の人たちのほうが、タイトルにもなってる主役よりもはるかにテクニックを要する歌を連発しているあたり、聞いていても面白かったです。
コロコロっと唄うのはやはりモーツアルト風なんでしょうかね。
映画の「アマデウス」に 「ちょっと音符が多いような気がする」といわしむるのも無理はないかと。
勉強になりました。