ドライビング・ミス・デイジーをみてきた


ドライビング・ミス・デイジー
by Alfred Uhry
@東京芸術劇場 中ホール


キンダイシュラン《★★★☆☆》


仲代達矢奈良岡朋子の競演と言うことで、見てきました。
この公演に気付いたのが当日の昼一時。
急いで池袋へ行って、遅刻したけど見れました。

っていうか、ぴあには14:30からって書いてあったのに、とか思いつつ。


見て良かったと思う。

仲代達矢のセリフ回しはなんだか中田カウスのようだったけれど
その独特の間のびした言葉の音が、だんだんと子守唄のように聞こえてきて、
いらいらしていたデイジーさんと友達になっていく風景がとてもきれいだった。


大事なところで、低い声を出してなんか訴えようとするあたり、
たとえば「あの、字がよめないんで」のあたりや
最後の「お手伝いさせてください」なんだけど、
とてもお客さんに優しい演技をする人だと僕は思いました。


決してナルシスト的なエンターテイナーではなくて、
仲代達矢奈良岡朋子は、
きちんとお客さんを誘うようなエンターテイナーだった。


じじいばばあになっても、ちゃんと芝居できるんだぜぇ
ってところをばっちり見せてもらえて、うれしかった。
若い役者がじじいばばあの化粧してみたりするのは、しょうがないかもしれないけれど、
じじいばばあがちゃんとじじいばばあを演じる、というところに
なんというか、日本の新劇の残っていく姿を見たような気がしました。


若いだけじゃダメだっていうのをちゃんと見せてくれた
仲代達矢奈良岡朋子に拍手です。


ただねー、役者が凄くいいのだから、
演出をなんとかせにゃならんとです。


あの、暗転っていうのは、あんなにこまこまとするものなのかな。
しちゃけないっていう教えみたいなものはきっと新劇にはないんだろうなと思い、
たぶん、小劇場の人間が言い始めたのだろうなと思う。


中ホールくらいの大きな舞台なら、しかも三人でやるお芝居なのだから、
着替えも舞台の上でやればいいのに、と思う。


あと、あのカーテンコール。
誰もいないところでキラキラが発射されて、
全部散り終わった時に、舞台後部が開いて、
開いてから主演の二人が出てきてっていう、
なんともだらだらしたカーテンコールで、ぜんぜん盛り上がらない。
あれは、扉開いて、二人が出てきつつ、キラキラ発射だろう、
と僕は思うんですが、どうなんでしょう。


年齢を召した方々にはぐんぐん進む段取りよりも、一つ一つ確実に演出の面白さを見せないといけないんでしょうかね。
ちょっと刺激が強すぎるのでしょうか。
いや、そんなことはないと思うのだけど。


ただお客さんたちがとってもあったかくて、いい気分でした。