この世界から消える魔球 を見てきた。

この世界から消える魔球
BY ブルースカイ
ザ・スズナリ


キンダイシュラン《★★★★★》



おもしろすぎて、頭の空気が少なくなってしまって、
あくびが何回か出てきたけど、
全然面白くなかったわけじゃないんだからね!!!


ロンドンから東京に来て見た芝居で、一番面白かった。

全然何が起こったのか、覚えてないけど、
原金太郎のとんでもない存在感とか、
池谷のぶえの全然どうでもいいことをもっともらしく言えちゃうのとか、
吉増裕士のちゃんと不器用にできる顔とか、
薄っぺらいからだをもったヨーヨー名人とか。
ほんとに、笑った。


何にも出てこないシーンでも、笑えた。


すげえよ、すげえけど、
ナンセンスを作るその労力を考えると、とんでもないだろうなと思った。
その言葉の選び方から、言葉の言い方から、
いったいどこまで考えてるんだろうって思うと、
ブルースカイって、すげえなって、思う。

一年に一回のペースでみたいなあって思う。
その分公演の数を増やしてもいいなあって思うし。


だってホントに面白かったから。


スズナリだけで終わっちゃうのはちょっとさみしいなあって、思います。



今日が千秋楽だったのだけど、
もうちょっと長くやってほしかった。
たぶん、一か月やっててもいいと思う。


もう一回みたいなって思う。


たとえば、
「なかだるみの訪れるころ、道は開かれる」とか、
センスがいいなあと思うし、
その中だるみの訪れるころをちゃんと
中だるみする場面としてクリアに描いちゃうあたりすげえ。
実際には、「もう、やめてよおとうさん」という娘と
「好きなんだ、そうに違いない、好きなんだろう」という父が
延々同じセリフで言い続けているシーンなんだけど、
中だるみすることなくちゃんとなかだるみするあたりとんでもない。


よかった。ほんとによかった。