あるあるのリアル

リアルってなんだろうと、よく考えます。


リアリスティックな演技と言うと、
やっぱりスタニスラフスキー流の演技術やら
ロバート・デ・ニーロの演技とかをいうのだと思うんだけど
そういうリアルを追求しない演劇もあるわけで。
たとえばそれが、江戸の歌舞伎なんだよなあと、思うのです。
あるいは、さんまさんのつくるデンガナマンガナな関西人だったり、
落語の流れるような啖呵を吐くクマさんだったり、
つまりは、様式美を求めていくリアルというのがあって。

それはつまり、
「ああ、あるある」っていううなずきを伴うリアルだと思うんですよ。
「リアルアル」とでも名づけましょうか。
このリアルアルのおかげで、マンガも発展したんじゃないかと思うんですけど。
バルバだったかターナーだったかが、
東洋の様式的な演劇は
exaggerationと simplificationの矛盾ない過程で行われると言ってて、
つまりが、いいところははっきりと、面倒なところはすっきりとしていくことで、
よけいに、「ああ、あるある」を見せることができると思うんです。


「リアルアル」
これ、いいと思うんですけどね、日本語だし、けど今まで出てこなかったし、
ちょっと説明すれば、学術的な話なんかもできると思うんですけども。
まあ、その、「ああ、あるある」と思わせるものは何かといえばまだ分からないけれど、
まあ、そこはだって、後の研究に任せましょうよ。


エンタの神様っていう番組で「あるあるネタ」ばかりがやられているっていう話だけど、
つまり、あるあるネタっていうものの研究と実践が続けば、
新しい日本的な笑いの表現として確立できるんじゃないかな。
嘉門達夫つぶやきシローふかわりょう、これ、いい研究材料になるとおもいます。